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ライアン ST : ミニ英和和英辞書
ライアン ST[らいあんえすてぃー]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


ライアン ST : ウィキペディア日本語版
ライアン ST[らいあんえすてぃー]

ライアン ST (Ryan ST) はが1930年代より製造したタンデム複座の低翼式単葉機。民間での娯楽、あるいは飛行学校や各国の軍隊で練習機として使用された。
なお本機(ST)には多数の仕様・派生型が存在するが、まとめて本稿にて扱う。
== 設計・開発 ==

機体設計者のはチャールズ・リンドバーグ大西洋横断で有名なスピリットオブセントルイス号(機体は『ライアン NYP』)を製作したライアン・エアライナーズの創設者であった。ライアン・エアライナーズはライアンが創始した最初の会社で、ライアン・エアロノーティカルはライアンが立ち上げに関わり、彼の名を冠した4番目の会社であった(以前に一度同名の企業を起こしているが、ジーメンスに買収されていた)〔New Zealand Warbirds Ryan page 2008年1月10日閲覧.〕。ライアンは1933年に同社での最初の設計機としてSTの開発を開始した〔''Jane's Fighting Aircraft of World War II'', Bracken Books, London, 1989. ISBN 1-85170-199-0〕
。ST(もしくはS-T)とは ''Sport Trainer'' の頭字語である。
STは金属製セミモノコックの胴体に開放式のタンデム複座コックピットを備えていた。胴体は主翼桁の荷重を支える2つのメインフレームと別の6つのフレームから成り、メインフレームのうち一方は製、他方は鋼とアルミニウム合金(製品名:''alclad'')を半分ずつ含んでいた。その他のフレームおよび外殻はalclad製であった〔。内翼前縁の桁は単純な管であり、外翼との境目付近で胴体上部に一端を固定された外部の支柱と接続していた。内翼後縁の桁はトラス状構造を有していた〔Ryan ST Construction description 2008年1月23日閲覧.〕。一方、外翼部の桁はトウヒの厚板から作製された。小骨はalclad製で、翼の捻れを防ぐために桁に対し斜め方向にも支持棒が組み込まれた。前縁部の外皮はalclad、その他の部分は布羽張りであった。また、外翼は固定脚式の降着装置と胴体上部に固定された複数の張線で支持された〔。
まず最初に5機のSTが製作された〔Taylor, M. J. H. ed. ''Jane's Encyclopedia of Aviation'' Studio Editions Ltd., London, 1989. ISBN 1-85170-324-1〕。続いてエンジンをアップグレードしたST-A(もしくはS-T-A)が開発された。ST-AのAはAerobatics(曲技飛行)に由来する。また同時期にST-Bと呼ばれた単座の機体が1機製作されている。これは撤去した前部コックピットに燃料槽を搭載したものであるが、後にST-A標準仕様に戻された〔Aerofiles.com Ryan page 2008年1月23日閲覧.〕。その後ST-Aのエンジンをさらに強力なものにした ST-A Special が生まれた。
1937年、ST-A Special は軍用型であるSTMシリーズ(ST-Mとも)へと発展する。STMではパイロットがパラシュートを装着したまま出入りしやすいようにコックピット内部が広く改装された。また、一部では機関銃の搭載を想定していた〔。1挺の機関銃で武装した単座のSTM-2PなどSTMの各派生型は中華民国オランダ領東インドへと送られた。なお、STM-S2は通常の車輪式降着装置を浮子式降着装置(製品名:''EDO Model 1965'')に換装し水上機とすることが可能であった〔〔Orphan, Graham M. "The Ryan ''ST'' in Australia (and the survivors of the breed)". ''Classic Wings Downunder'' magazine, Volume 7, No. 4, Sept/Oct 2000, p26-29. ISSN 1172-9643.〕。
STMの後、1941年ST-3が製作された。これは本質的に再設計であり、信頼性に劣るMenasco社製エンジンの換装を意図したものでもあった。ST-3の開発はアメリカ陸軍航空隊 (USAAC) の要求に端を発する。USAACは数十機のSTM派生型を購入し、様々な制式番号の元で試験運用を行ったが、この間にライアン・エアロノーティカルへ一部の機体のエンジンを Kinner R-440 (R-440は軍での制式番号であり、製品名はB-5)へと換装させていた〔〔。陸軍はこの換装が成功であったことを確認すると、R-440を標準エンジンとし、運用中に得られたいくつかの要求を取り入れた改良型(すなわちST-3)の設計を同社に依頼したのである。ST-3の胴体は従来より長く、断面はより広い円形になった。これはR-440が星型エンジンのためである。また、方向舵の再設計、補助翼昇降舵のバランス調整、加えて降着装置の伸長と軌間の拡張が行われた。なお、それまでのSTシリーズで見られた流線型の車輪覆いはこの際に撤去されている〔。ST-3は陸軍およびアメリカ海軍 (USN) から発注された軍用STの基本形となった〔。
1941年から1942年初頭にかけてST-3を元としたST-3KRが開発された(KRはエンジン製造会社Kinnerとエンジン形Radialから)。ST-3KRはR-440 (B-5) よりも強力な Kinner R-5 を搭載し、最多量産型となった。第二次世界大戦中には1000機以上が生産されている〔。STの最終型はST-4で、これは戦時下の資材枯渇に備えてST-3の胴体を木製とした派生型であったが、そのような事態は杞憂に終わったため量産には至らなかった〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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